特集号の2回目です。特集やっている理由は前回も書いた通り以下の理由です。
なぜ今回先生の著書を取り上げたのか?それは、彼の著書というのは、全部「ストーリー仕立て」になっているからなんですね。これまで経営に関する本をいくつか紹介しました。その中で、「カモメになったペンギン」や「チームダーウィン」などは、難しい理論を物語にして一般の人に届けようとした著書でした。
じゃあ教育にこういう本てないの?と思ったときに、ぱっと思いついたのが戸田山先生の本だったのですね。さきほども言ったとおり、彼の本はどれもストーリーになっています。難しい考えを広めていくときになにかしら、このストーリーというのは重要な鍵を握っていると思うので今回は彼の作品を紹介することにしました。
- 論文の教室
- 科学哲学の冒険
- 成長するティップス先生
という順番で紹介していこうと思います。今回は「科学哲学の冒険」です。
1228005996*科学哲学の冒険
日本放送出版協会
売り上げランキング: 29787
基礎体力がつく
科学哲学という科学的アプローチ
本文は素晴らしい。しかし何故「伊勢田」が推薦図書なのだ?
読みやすい!わかりやすい!!何より、面白い!!!
ハート・ウォーミングな結末
内容
「科学哲学」の入門本です。「科学とはなにか?」という素直でありながら、めちゃめちゃ難しい問題について述べている本ともいえるでしょうか。こんな難解な内容を読もうと思えるのも戸田山さんの本だからです。
この書評を書こうと思って、もう一度本棚から取り出したらついつい、じっくり読んでしまいました。それくらい面白い。いろいろ勉強していくと、必ず最後は哲学の話と話を切り離すことはできないのだけど、その哲学的な議論を理解するのはほんとうに難しい。
でもこういう本があるとほんと助かりますね。そういう意味では内田先生の本もおすすめ。
文藝春秋
売り上げランキング: 7421
寝ながら学べるとは?
現代人は、いかに構造主義の思想に縛られているか
タイトルも良いけれど中身も良い
構造主義の前途はブルバキと同じ?!
主著を読んでみる気にさせる入門書
面白いポイント
この本の特徴は、登場人物が三人でてくるところです。論文の教室ではヘタ夫くんとセンセイだったと思うけど、今回はセンセイに加えて学生さんが二人出てきます。その二人は、リカちゃんと、テツオくん。リカちゃんは理系の女の子、テツオくんは文系の男の子。この三人での会話をもとに展開していくのです。
この本について語る
今回は登場人物を三人にしたのが面白いですね。理科系の意見としてリカちゃん、文系の意見としてテツオくん、彼らが互いの立場をふまえながら発言していくので、対立の構図が見えつつ、そこにうまくセンセイが解説をいれていくのが面白いです。
物語形式でわかりやすく進めていく一つの方法として、
- 立場の違う二人を登場させる
- ディスカッションさせることで「論点」を明確にする
- 明確にしたところでセンセイの解説が入る
という形式が面白いですね。マネできるかもしれません。
この本は、物語うんぬんじゃなくて、内容としてもとても面白いです。ちなみに私はさきほど社会構成主義ってどこがおかしいの?(p140)を読んでおりました。面白い。内容は見てのお楽しみということで!
だれにオススメか?
- 科学哲学に入門したい大学1,2年生
- 科学哲学とかよくわからなくても科学ってなんだろうかとふと思った人
- 哲学の流れを知りたい人
- 戸田山先生の本が好きな人
コメントを残す