最近、興味を持っている研究テーマのひとつに「自分が持つ人間関係」と「成長(学び)」の関係があります。先日出版した書籍「活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション」の中でも、第6章で「大学時代の人間関係」と「企業への組織適応」に関する調査結果について書かせていただきました。
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この研究では「異質な他者(自分とは世代も所属も異なる人)」とつながることが成長にとって大切ではないかということを述べているのですが、この話をすると「自分がそういう状況になっているかをどう確認したらよいのか」と聞かれることがあります。
そう言われると難しいのですが、今回は自分の人間関係が「内輪だけ」になっていないかを簡易的に確認する方法について少し書いてみたいと思います。
その方法とは、最近Facebookで友達になったひととの「共通の友達」の数を見てみるという方法です。
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例えば、最近友達になった人と「共通の友達30人」とかの場合は、あるコミュニティにどんどんと関わっている状態といえると思います。同じ職場の人、サークルの人など、どんどんと関連する知り合い同士とつながっていくパターンかもしれません。
これはこれでよい状況ですが、どちらかというと「どんどんコミュニティの中に入っている」状態であり、異質な他者とつながっているような状態ではないといえるかもしれません。
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一方で、最近友達になった人と「共通の友達1人」とかの場合には、いままでとは別の新たなコミュニティとの接続を予感させます。自分とその人だけつながっているけれど、それぞれの所属しているコミュニティとは別の状態といえると思います。
こういうときには、普段所属するコミュニティとは少し異なるコミュニティへ可能性が開けている状態と考えられるのかなと思います。
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今回のポイントをあらためてまとめると
・「共通の友達が多い人と知り合いになっていれば、より同質なつながりへ」
・「共通の友達が少ない人と知り合いになっていれば、より異質なつながりへ」
という傾向があるかもねという話でした。もちろんこれは非常に簡易的な方法なのでひとつの指標でしかありません。
これ以外にも、共通の友達以外にも「そもそも最近Facebookの友人が増えないな」というのも、新たな出会いが少なくなっている可能性があるともいえます。
もちろん、Facebookなんてやっていないよという人もたくさんいると思うのですが、自分が使っているSNSの状況は、自分の持つネットワークの状況を把握するひとつの指標にはなると思います。時々そのあたりを見てみると、自分の人間関係の状況を理解することができるかもしれませんね。
■関連する書籍
今回の記事に関連する内容を「活躍する組織人の探究: 大学から企業へのトランジション」の第6章:入社・初期キャリア形成期の探究:「大学時代の人間関係」と「企業への組織適応」を中心に.で書かせていただきました。興味がある方はぜひご覧くださいませ。
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