先日「越境リーダーシップ」というイベントに参加してきました。このイベントをすごくざっくりいうと、企業で働く個人が組織の外にでたりしながら新しい価値を生むことについて考える会です(詳細は文末にリンク貼りました)。ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社の三浦英雄さんが企画をされています。今回はゲストとして、一橋大学の米倉誠一郎先生らが登壇してくださいました。
米倉先生の本はもちろん読んだことはあったのですが、実際にお会いするのは初めてだったので楽しみでした。内容も面白かったのですが、プレゼンテーションの引き込み方なども非常に上手で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
■ GEの世界イノベーション調査
米倉先生のプレゼンテーションでは、GEの世界イノベーション調査の内容について紹介してくださいました。この調査によると、日本は「イノベーションをもっとも牽引する国はどこか」という質問で4位というよい結果だった一方で、実際の取り組みとしてはとても消極的であるということがわかったそうです。
具体的には、イノベーションを「あまり、あるいはまったく戦略的優先課題ではない」とした割合が他の国に比べてかなり高かった等というデータがでていました。つまり、他国からの評価は高い一方で、自分たちの取り組みとしては消極的だったり、否定的であるということがわかったということです。ちなみにイノベーションに対する大学の取り組みについても他国に比べて評価が低いという悲しい結果もでていたそうです。
こうした結果がでた理由についてはいくつかの仮説を米倉先生は提示していました。例えば、イノベーションという言葉に対するイメージの違いや、単に自信がなくてそういっているなどです。実際はどうなのかとても気になりますね。
■ イノベーションという言葉のイメージ
ぼく個人としてはイノベーションという言葉に対するイメージの違いというポイントが気になりました。経験的に思うことなのですが「イノベーション」という言葉から連想するイメージってかなり多様じゃないかなと思うんですよね。実際に色々議論していても、経営学や経済学の人が思う「イノベーション」というイメージと、教育学系の人たちが思う「イノベーション」のイメージもだいぶ違う気がしています。さらに、実務家の方とお話しさせていただいたときにも、また違った捉え方をしているなと思うことがあります。
どの捉え方が正解というわけではないと思うのですが、イノベーションという言葉をどのように使っていて、どういう側面についてそれぞれが語っているかということを自覚しないと、議論がかなりすれ違ってしまうのではないかなという印象を受けました。
実際「イノベーション」という言葉を聞いたときにどんなことを想像しますか?
かなりばらけると思うんですよねえ。
■ まとめ
ということで、今回は特に米倉先生の講演内容をベースに書きました。会自体はこの後パネルディスカッションやグループワークなどがあり、インタラクティブなセッションでした。
私自身も「越境学習」に関する調査をしたり、「越境×イノベーション」に関する研究会も実施したりしているので、今後もこういう活動をさらにやっていきたいなと思いました。
ご企画いただいた三浦さんありがとうございました。
■ 参考リンク
GEの世界イノベーション調査:世界からの期待は4位も「非常に残念な結果」と米倉誠一郎教授
http://www.sbbit.jp/article/cont1/26031
越境リーダーシップ カンファレンス
http://www.wlw.co.jp/seminar/development/index.crossborderleadership01.html
■ 関連する本
職場を越境するビジネスパーソンはどんな人なのかについて調査した結果がこちらに載っています。興味ある方はぜひご覧下さいませ。
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