少し時間が過ぎてしまいましたが5月に「プチ学会」というイベントを行いました!今回はそのレポートです。このイベントは僕が最近やっているUnlaboratory(アンラボラトリー)という活動の一環で行っています。
■Unlaboratoryとは
Unlaboratoryとは「Un+Laboratory(研究室ではない研究室)」という意味で、
「大学でやっている研究コミュニティの面白さを残しつつ、大学に閉じないプラットフォームを作りたい」
という思いでやっています。
■プチ学会とは
今回実施したプチ学会は「領域で縛らない、人のつながりをベースにした学会があってもいいんじゃない」
ということをテーマにしたイベントです。
研究者(やその卵)、実践者など、多様な人が集まり新たな価値を作ることができないかを考えています。
プチ学会の特徴は3つです。
1.時間割は当日決めます
一応発表希望は当日までに聞いておきますが、時間割は当日決めます。
オープン・グリッド方式というやつですね。
枠があまれば飛び入り参加OKです。
毎回必ず飛び入りでプレゼンしてくださる方がいます。
2.参加者のほとんどが発表者です
プチ学会では、なるべく発表枠を参加人数に近づけた数用意します。
そのため、聞くだけの人の方が少数派になります。
3.発表スタイルは自由です(持ち時間30分)
発表スタイルに指定はありません。
スライドを使って発表する人、ポスター形式で発表する人、
なにも用意せずにカラダ一つで発表する人、ワークショップ形式にする人など、
なんでもOKです。
聞いている人の楽しみ方も自由です。発表の途中に抜けてもかまいません。
■これまでのプチ学会
プチ学会はこれまで色々な場所で実施してきました。
1回目は「勝手に学会やっちゃいます」ということで、場所は大学だったのですが、
2回目は「3時のおやつのでる学会」というコンセプトで、シェアハウス(まれびとハウス)にて実施しました。
3回目の今回はなんと「幼稚園(成城ナーサリィ・スクール)」で実施しました。
■今回のコンセプト「子どももこられる学会」
今回は「子どももこられる学会」ということで、
お子さんがいる方はファミリーで参加できる学会ということにしました。
なぜ今回そういったコンセプトにしたかについては色々理由があります。
だいたい2つくらいでしょうかね。
1つ目の理由は、お子さんがいる方にも参加して欲しいと思ったからです。
最近私の周りを見ていても、社会人院生の方などが増えてきているのですが、
お子さんがいる方は土日のイベントに出てくるのが大変ということをよく聞いていました。
それならば、お子さんも一緒にこれればいいんじゃないかと思ったんですね。
2つ目の理由は、子どもがいるところで「子どものこと」を語りたいと思ったからです。
「これからの教育は・・・」とか「幼児教育は・・・」ということを語るときに、
目の前にその子どもたちがいて、その子どもを目の前にしながら語るというのは
けっこう大事かなと思ったんですね。
今回のイベントをつくる上でこだわった点は「子どももこられる」というときに、
「子どもをあずけられる」のではなく、子どもたちも楽しくないと!ということを意識しました。
このあと説明しますが、今回のイベントでは、子どもたちは
「サイエンスワークショップ」や「即興演劇(インプロ)ワークショップ」を体験できるようにしました。
■当日の様子をレポート
最初に私からこのイベントについて説明しました。幼稚園でプレゼンテーションするのはなんだかとても新鮮です(笑)
聞いている方々もみなさん床に座ってきいてくださっています。
普段ならいきなり個々人の発表に入るのですが、今回は子どもも大人も一緒になって即興演劇(インプロ)を体験してもらいました。今回はインプロチームのみなさんに参加していただきました。東京学芸大学の高尾隆先生のチームですね。写真に写っているのは園部さん(東京大学)です。
最初のワークは「子どもが大人に連れられる」というものでした(笑)子どもが真ん中に入り、両側の大人二人は目をつぶります。そして、子どもがいきたいところにあわせて大人が一緒に動きます。いつもは子どもが大人に連れられていますが、その気持ちを大人が体験してみるというものです。
次にやったのは「木」のワークです。ひとりが「木」になります。そこに、グループの人が「気の回りにありそうなもの」になって、はいっていきます。この写真ではたしか「柵」として入っていただいたと思います(笑)。3人でひとつの作品になります。3人入った後は、一番最初にいた人が、残り二人のどちらかを残し、またそこからスタートします。
大人と子どもで一緒に作品をつくります。この写真は「木」の目の前に「ベンチ」があり、そこに「座る人」という作品です(笑)
インプロで全体があたたまったところで、次は発表タイムです。当日作った時間割通り進んでいきます。「じかんわり」のところは子どもたちによって、落書きされていますが、それも味がでています(笑)
発表スタイルは本当にさまざまです。
イスに座って対話しながら進めるものもあれば、
ワークショップ的に絵を書いたりして、体験とトークを織り交ぜるもの
スライドをつかったプレゼンテーションスタイル
それから笛を吹く人まで、本当にさまざまなかたちがあります。
一方子どもたちはというと、インプロを楽しんだり、サイエンスワークショップを楽しんでいました。
写真はホバークラフトをつくっている様子です。先日参加して下さった方から「子どもがあのとき作ったホバークラフトをいまでも大事にしている」というメッセージをいただきとてもうれしくなりました。
子どもと大人は別々と思いきや、子どもたちは縦横無尽にうごきまわっています。例えば、上記の写真、よくみると、さりげなくお子さんも一緒に聞いています(笑)
気がつけば「大人だから」「子どもだから」ということは関係なく、一緒に楽しんだり、一緒に学んでいたかんじがします。
■まとめ
1.子どもも大人も溶け込む学会
今回は「子どももこられる学会」ということで、大人も子どもも一緒になって学ぶ場をつくりました。こうしたイベントは初めてだったので、不安もあったのですが、結果的にとても楽しい場になったではないでしょうか。写真を見ても、大人も子どももどちらも非常に笑顔が多いという印象でした。
「子どももこられる」というと、「子どもを預かってもらえる」とか「子どもは別の部屋で静かに」というかんじがしますが、今回の場で面白かったのは「子どももその場に溶け込んでしまう」ということだったのかなと思います。
それは「幼稚園」という場所だったことも大きいかもしれません。どちらかというと「私たちが子どもたちの場所にお邪魔している」という感覚があったように思います。
2.教育からアイドルまで
発表内容も毎回のことながら非常に多様でした。
幼児教育、アート、インプロ、サイエンス、源氏物語を学ぶコミュニティの話、大学院生のこれからの生き方に関するもの、動画を使ったこれからの教育、法哲学に関する話、AKB48とインターネットなどなど、色々なテーマがありました。
私が主催していることもあり、毎回教育系の発表が少し多めですが、教育といっても非常にさまざまなジャンルの人がきてくださいますし、教育以外の発表も半分くらいあるのではないでしょうか。
今回も法学の話やアイドル論の話などがあり、とても楽しめました。
3.プレゼンテーションスタイルの多様性
またプチ学会をやると毎回「教え方の方法は多様だ」ということをあらためて感じます。
一方的に話すことが一概に悪いことではないんですよね。
単純に話すといっても、パソコンのスライド、手作り画用紙スライド、身振り手振りなど多様ですし、対話をしながら進めるものもあれば、体験型もある。
どれがベストというわけではありません。
こうした「30分の使い方の多様性」もまたプチ学会のひとつの特徴なのかなと思います。
▽
今回はイベントの実施にあたってさまざまな方にご協力いただきました。会場を貸していただいた成城ナーサリィ・スクールのみなさま(牧村先生、瀧澤先生、小池先生)、プチ学会運営委員のみなさま(牧村さん、眞崎さん、みみこさん、吉田さん)、インプロワークショップを実施してくださった園部さん、木村さん、野村さん、直井さん、サイエンスワークショップを実施してくださった木村優里さん、立教大学の学生チームのみなさま、参加して下さったみなさま、などなど本当に多くの人にご協力いただき実施できました。この場を借りて感謝いたします。
■次回の参加申し込みはこちら!
次回は7/28に「三田の家」にて実施します。
興味がある方はぜひご参加くださいね。
(※今回はお子さんが参加できる形式ではないのでご注意ください)
Unlaboratory(アンラボラトリー)#プチ学会@三田の家(7/28)
【申し込みページは以下のリンクをクリック!(申し込みフォームに飛びます)】
■関連リンク
当日のつぶやきのまとめです。Unlaboratory#プチ学会@幼稚園-子どももこられる学会-
Unlaboratoryのページはこちらです。
https://www.facebook.com/Unlaboratory
今回はお笑い芸人の「プラスガンマ」の野村さんが参加してくれました。Unlaboratory公式芸人さんになっていただいたのでリンクを貼っておきます(笑)
■参加して下さった方の感想ブログ
ご感想ありがとうございます!
第3回Unlaboratory#プチ学会参加してきました情報デザイン研究室
http://asanoken.jugem.jp/eid=2286
領域外の視点を取り込む伊達洋駆のブログ
http://york-date.jugem.jp/eid=7
■次回実施する「三田の家」に関する本はこちらです
慶應義塾大学出版会
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