昨日で中原研究室の前期のゼミが終わりました!今回はこれを機に、前期の中原ゼミを簡単に振り返ってみようと思います。

今年のゼミでは、これまで使っていたコメントシートの仕組みを改善したりと、色々新しい試みを導入しました。

具体的に導入したのは以下の3点です。
1.ゼミのコメントを促す仕組みの改善(去年使っていたコメントシートを紙からデジタルへ!)
2.発表者の内省を促す仕組みの導入!(今年から導入)
3.研究を進める上での「教訓」のデータベース化とTwitterによる配信(今年からの導入)

詳細はこちら!
今年ゼミに導入した「研究室メンバーの内省を促す」3つの仕組み
https://www.tate-lab.net/mt/2010/05/post-177.html

今回はその中でも、2つ目の「内省シート」に関する報告をしようと思います。

昨日は前期の最後のゼミだったので、今年から導入した「内省シート」のデータを少しまとめて、ゼミメンバーにフィードバックをしました!

「内省シート」とは、ゼミの発表者が、発表後に「自分の発表を内省すること」を目的としたシートです。発表者は、発表後に以下の項目を入力します。(ウェブのフォームから入力します)

・最近調子はどうですか?
・今回の発表の出来はどうだったか
・今回の発表の準備はどうだったか
・もらったコメントの中で一番印象に残ったのはだれのどんなコメントか
・自分の次の課題は何か?(「やること」と、「その期日」を入力する)

この中で、以下の3つは、5点満点で自分で点数を入力する仕組みになっているんですね。(自己評価です)

・最近調子はどうですか?(5なら「元気」、1なら「激しく疲れている」)
・今回の発表の出来はどうだったか(5なら「満足」、1なら「不満足」)
・今回の発表の準備はどうだったか(5なら「満足」、1なら「不満足(準備不足)」

毎回発表後にこの点数を自分で入力するので、4月の発表のときと、5月の発表のときで、「調子」「出来」「準備」について自分がどう思っているのかの変遷がわかるというわけなのです。

今回は、メンバーそれぞれのこの点数を集計して、簡単なグラフを作って、フィードバックを行ないました!

実際みてみると、
・最初は疲れていたけど、だんだん元気になる人
・ずっと疲れているけど、発表の出来自体には満足していく人

など、いろいろなタイプがありました。

僕はあんまり変化がなかったですね(笑)。線が2本しかないのは、「出来」と「準備」が同じだからですね。

grafu-tate.png

ちなみに今回は、この点数をもとに以下の賞も発表しました(笑)

「最優秀元気賞」
「しっかり発表できたで賞」
「しっかり準備ができたで賞」
「激しく疲れていたで賞」
「後期は発表がんばるで賞」
「後期は準備がんばるで賞」

まあ賞がでたからといって何もないのですが(笑)、これを機に自分の生活を振り返るきっかけになるのかなと思います。あくまでこれは「自己評価」というのがポイントです。

中原先生からは「点数自体に意味があるわけではないから、この自己評価をみて、自分の生活でかえられるところ、かえられないところを内省するきっかけにしてください」というコメントをいただきました。

これは先生がよくblogなどにも書いている以下の言葉に集約されるかもしれませんね。

「変えられるものを変える勇気を 変えられないものを受け容れる心の静けさを 両者を見分ける叡智を われらに与えたまえ」(ニーバーの祈り)

「内省シート」を取り入れたのは、今年の前期からなので、こうしたフィードバックを行うのは初めての試みでした。うまくいったところもあれば、「もっとこういう項目があったほうがよいな」など、改善点もたくさんみえてきました。

このあたりについては、また改めて記事にまとめてみようと思います。その反省をいかして、後期のゼミも少しまた工夫できればと思っています。

ちなみに昨日は最終日だったので、先生やゼミ生みんなで打ち上げをしました!焼肉を食べつつ、ふざけた話からちょっとまじめな話まで、大いに盛り上がりました。

また少しずつ、前期にやった試みがどうだったかについて報告していければと思います!

○関連エントリー

中原淳ゼミの特徴 プチまとめ2009!
https://www.tate-lab.net/mt/2009/12/2009.html

ゼミで使用している「プロセス重視のコメントシート」を公開しました!
https://www.tate-lab.net/mt/2009/12/post-153.html

僕が中原研で学んだ「先行研究の読み込み」に必要な3つのポイント
https://www.tate-lab.net/mt/2010/04/post-176.html

組織の中で学ぶことは「みんなの問題」&中原ゼミの革新
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/04/post_1685.html

中原研究室のTwitterアカウント
http://twitter.com/nakaharalab

○関連する本

リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する (光文社新書)
中原 淳 金井 壽宏
光文社
売り上げランキング: 15240
おすすめ度の平均: 4.0

5 内省し、学ぶ大人なら、この本に正解と結論を求めてはいけない
3 キャリアを「深く考えたい」人は、読んでみては?
3 異なる世代視点からの企業内教育論
4 人の発達は一生続く
3 人材育成理論をまとめた良書。もう一歩踏み込んだ提言を。

「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力
キャロル S.ドゥエック
草思社
売り上げランキング: 14723
企業内人材育成入門
企業内人材育成入門

posted with amazlet at 10.07.21
中原 淳 荒木 淳子 北村 士朗 長岡 健 橋本 諭
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 8519