本日紹介するのは、元祖レポートの書き方本といってもよい、木下是雄先生の「レポートの組み立て方」です。木下先生の本と言えば「理科系の作文技術」が有名ですよね。
今回紹介する本の方が文系よりに書かれていると思われます。
だいぶ前から持っていましたが、あらためて読み直してみると、とても発見の多い本です。
目次を見ただけでも、かなり気づきが多い本といえるんじゃないでしょうか。
本から引用してみましたが、長いので文末に載せることにします。
目次の中でも個人的にぐっときた2つのポイントについてここでは紹介します。
1.レポートを書く上で重要な心得
木下先生はレポートを書く上での心得として大きく2つを紹介しています。
(a)レポートには、調査・研究の結果わかった事実を客観的に、筋道を立ててまとめて書く。この部分がレポートの主体で、これだけで終わっていい場合もある。
(b)レポート中に書き手の意見が要求される場合には、それが(事実ではなく)意見であることがはっきりわかるように書く。意見の当否を検討できるように、意見の根拠を明示しておくことが肝要である。
これは当たり前のように見えますが、かなり重要かつ難しいポイントですよね。
例えば「事実と意見を区別する」ということは、レポートを書く際に最初はけっこう苦労するポイントなのかなと思います。
常にこの2つを頭の片隅にいれておきたいものですよね。
何事も基本が大事です。
2.だれが読むのかを意識して書くこと
木下先生は文章を書くときの「読み手意識」について詳細に言及しています。他人に読んでもらう文章では、下記の4つを常に意識することが大事とのことです。
A 誰がこれを読むのか
B 自分の書くことについて、その読み手はどれだけの予備知識があるだろうか
C その読み手はどういう目的で、何を期待してこれを読むのだろうか
D その読み手が真っ先に知りたいのは何だろうか
これまたシンプルだけども難しい!
僕はこのblog記事を書くときにちゃんとこの4つを意識できているのか!と思いました(笑)
まとめ
さて、今回紹介した「レポートの組み立て方」は古い本ですが、レポートを書く上で重要なエッセンスがかなりまとめられています。
「この本の書評を書く」という行為は、少し怖い気持ちになるくらい、自分の文章の書き方を反省させられました(笑)
やはり長く読まれている本には、それだけの理由があるというかんじでしょうか。文章の書き方について学びたい方にはおすすめの一冊です。
目次の紹介
かなり重要なエッセンスがまとまっていると思います。ざっとみるだけでも勉強になるかも!?
1.レポートの役割
1.1 レポートとは
1.2 大学生のレポート
1.3 社会人のレポート2.事実と意見の区別
2.1 事実と意見 言語技術教育との出会い
2.2 事実とは何か 意見とは何か
2.3 事実の記述の比重3.ペンを執る前に
3.1 レポート作成の手順
3.2 主題をきめる
3.3 目標規定文(主題文)
3.4 材料を集める
3.4.1 頭の中にあるものを引き出す方法
3.4.2 調査・観察・実験
3.4.3 図書・新聞・雑誌
3.4.4 図書館
3.4.5 書店の利用
3.4.6 ノートのとり方
3.5 いろいろの制約
3.5.1 長さの指定
3.5.2 引用について
3.6 レポートの構成
3.6.1 表題
3.6.2 レポートの標準的な構成
3.6.3 起承転結について
3.6.4 構成案のつくり方4.レポートの文章
4.1 読み手の立場になってみる
4.2 叙述の順序
4.2.1 重点先行
4.2.2 新聞記事
4.2.3 記述・説明の順序
4.2.4 論理展開の順序
4.3 事実の記述・意見の記述
4.3.1 事実を書くには
4.3.2 意見の記述
4.3.3 事実と意見の書き分け
4.4 レポートの文章は明快・明確・簡潔に書け
4.4.1 明快な文章
4.4.2 明確な表現
4.4.3 簡潔
4.5 パラグラフ 説明・論述文の構成単位
4.5.1 パラグラフとは何か
4.5.2 パラグラフの構成
4.5.3 文章の構成単位としてのパラグラフ
4.6 すらすら読める文・文章
4.6.1 文は短く
4.6.2 逆茂木型の文
4.6.3 逆茂木型の文章
4.6.4 首尾一貫しない文
4.6.5 まぎれのない文を
4.6.6 文は能動態で
4.6.7 並記の方法
4.6.8 漢語・漢字・辞書・その他
4.7 文章の評価5.執筆メモ
5.1 原稿の書き方
5.1.1 原稿用紙の使い方
5.1.2 区切り記号
5.1.3 文字の大きさ・字体・その他
5.2 出典の示し方
5.3 表と図
5.4 読み直し 修正文献
問題の解答
索引
あとがき
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