西村佳哲さんの「自分をいかして生きる」を読みました。前作「自分の仕事をつくる」を補足するような本というかんじでしょうか。「自分の仕事をつくる」はいろいろな人から「良い本ですよ」と紹介され、自分も面白く読んだので、今回の本も購入してみました。

自分をいかして生きる
自分をいかして生きる

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西村佳哲
バジリコ
売り上げランキング: 664
おすすめ度の平均: 4.5

4 生き方の根本に対して誠実に考えさせてくれる本
5 前作に続いて、、いい本です

前作はインタビューをベースに進められていきましたが、今回はどちらかというと語りがベースで進みます。後半には新たに行ったインタビューをもとに話が進められます。目次はこんなかんじ。

1 いる・いない(わたしたちはなにを受け取っているのか?

存在という贈り物

いい仕事、について)

2 自分の仕事(どんな○○○に?

仕事は「選ぶ」もの?

他人の気づき ほか)

3 自分とか誇りとか(働くことは本当に喜びなんだろうか

心は誰のものだろう

わたしたちは本当に自由を求めているのか?)

個人的にヒットしたのは、漫画家のいがらしみきおさんが社是として事務所に掲げていたという以下言葉です。(p.88から)

一、なんでもやる

一、とにかくやる

一、ほっといてくれ(笑)

どういうことか?

要するに、いろいろ将来のことが不安になったり、自分がなにをすべきかわからなくなったとしても、「とにかくやってみること」を大事にしよう。そして、まわりから「そんなことで大丈夫か?」とか「ちゃんと食っているのか?」と言われたり、最初は実際に食えないかもしれないが、とにかく無我夢中でやってみよう。

ということを表した言葉かなと思います。

僕はここから、金井壽宏先生のキャリアの話を思い出しました。「節目だけデザインする」という話を金井先生はしているのですが、ここでも大事なことは「手を止めないこと」でした。「手が動いている間は大丈夫」しかし、「手が止まるほど考えすぎるのはよくない」という話だったと思います。

もしかしたら、ここで言われていることは、「体が先に動くことを大事にしなさい」ということかもと思いました。頭で考えても考えてももしかしたらだめなのかもしれません。例えば、すっとある論文や本を手にしたり、すっとなにかのアクションをしてしまうその瞬間を大切にすることが、「自分をいかして生きる」ということなのかもしれません。

前作を読んだことがない人はあわせて読むのがおすすめです。前作は文庫になったのでお手軽に読めます。

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
西村 佳哲
筑摩書房
売り上げランキング: 1032
おすすめ度の平均: 4.5

4 「生きるための仕事」ではなく
4 仕事の迷路に迷ったら、
5 「働く」ことと「生きる」ことに橋を架けてくれる本です