街場の教育論を読みました!
ミシマ社
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元気が出ます
葛藤を生み出す本ですね(笑)
「酒場の教育論」ならば分かるが……
教育に向かう時に読む本。
街場だからこんなもんか
内田樹先生が書いた教育に関する本です。大学の講義を本にしたようです。教育に関するいくつかのテーマ(例えば、大学教育から、教師と学生の関係まで)を述べているので、要約するのは難しいです。
ただ、どのテーマにもひとつ共通しているのは「協働」という概念かなと思います。例えば、大学教育を対象にした話でこんなエピソードがあります。
大学に入学した学生は、「明確な目的」があるわけではなく、アンテナなだけはとがっている状態である。そんな状態でキャンパスを歩いていくなかで、だれか(メンター)に巻き込まれていきながら、道が決まっていくというような話です。それを表したヒトコトは、
彼らが大学に求められているのは「巻き込まれる」ことなんです。
かなと思います。この話はサイバー大学(ネットだけで履修できる大学)がうまくいかないという話をしている章で述べています。キャンパスの重要性は、こういう「巻き込み」「巻き込まれ」がひとつの要素であり、サイバー大学では、そうしたことを想定しないところにまずさがあるということだと思います。
これ以外にも、就職活動のエピソードがあります。内田先生が出版社の人と、就活の面接では何を見ているか?を話したことがあるらしいです。そのときに、出版社の人が言ったのは、うかるかどうかは「最初の五秒でわかる」という話でした。その判断基準についてこういっています。
この人と一緒に仕事をしたときに、楽しく仕事ができるかどうか、それを判断基準にしているから。
これは腑に落ちました。この話と続けて、「実社会は、競争の場ではなく、協働の場なんだ」というメッセージが書いてあるんですが、僕自身、かなり心に響きましたね。
このように、「教育」に関する「協働」みたいなものに興味がある人は、かなり心に響く本なんじゃないかと思います。おすすめです。
内田先生の本では、これ以外に、僕は以下の本も好きです。
文藝春秋
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鋭い視点
連戦連敗も実力のうち
君たちがいて僕がいる BYチャーリー浜
さるきちの愛されたい病。
「批評」がお好きな方ならどうぞ。
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