今日はぼくが、大人数がかかわる共同プロジェクトを進めるときに気をつけていることをまとめてみました。ぼくもどちらかというと一人で仕事をするよりも、多くの人が関わって研究や実践を進めることが多いです。現在ぼくが担当している授業準備も50人を超える人で進めています。

全員の情報共有を進めつつ、前に進めるためには何が必要なのかについて思いつくもの7つをまとめてみました。

1.完璧を目指さず「たたき台」を意識してワンテンポ早いタイミングで共有する

共同で仕事をする場合、締め切りまでの時間というのは「全員共通の資源」なんですよね。なので、どこかで消費しすぎると他の人が節約しなくてはいけないという状態になります。

そのためには素早く先に進めたいのですが、これがなかなかわかっていても難しいですよね。そこで重要なのは「完璧を目指すのではなく、まずは終わらせる」という姿勢ではないでしょうか。とりあえずカタチにして一度、共有してみることで、やるべきことがどんどん明確になっていきます。

目標にすべきは「完成品」ではなく「みんなで議論できるたたき台をつくること」です。全員が参加できる土台をつくることで、より共同であることのメリットがでてきます。

しかも自分がワンタイミング仕事を早く出すと、プロジェクト全体で時間の貯金が増えていきます。みんなが少しずつ貯金していくだけで、相当楽になります。ほんのちょっとの時間の貯金を意識していきたいものです。

2.タスクをとにかく「見える化」しましょう

「みんなが参加できる土台」ということと関連するのですが、そのためには自分のタスクやスケジュールをどんどん「見える化」していくことが大切です。

プロジェクトを進めるときに「あの人大変そうだな」というかんじで、だれかが忙しいことがわかっても、具体的に何をしていいかわからないことってありませんか?

いまどんな仕事があって、だれがいつまでにどのくらいやる必要があるのかが見えていないと、なかなか周りも協力できません。そのためにも、最初に全体のスケジュールやタスクを書き出したり、なるべくドキュメント化して、FacebookグループでもLINEでもいいので共有しましょう。

そのためには最初から面倒くさがらず「作業時間」だけでなく、「共有の時間」もしっかり見積もっておくことが大切です。

よくあるパターンは「仕事遅れる」→「作業に集中するため、共有時間を減らす」→「状況がわからないので周りが一層協力できなくなる」というものです。協力してもらえる構造をつくりましょう。

3.仕事の依頼はなるべく具体的に・明確に伝えましょう

自分が思っているよりも、仕事の依頼というのは相手に伝わっていないものです。「これお願いします」とお願いすることは楽なのですが、本当にその情報だけで相手が「動くこと」ができるかをイメージしましょう。依頼を受けた人が「次に、どんなアクションをするのか」を想像してみることが重要です。

動けるためには、内容と締め切りだけでなく、ちゃんと「目的」や「意図」を伝えることが大切です。ここでのゴールはなんなのか、本当に依頼する側がイメージできているでしょうか。

そしてなるべく締め切りは余裕をもって渡してあげましょう。「お忙しいところ大変申し訳ございません」という場面はもちろんたくさんあります。しかし、そういう場面は少ないに超したことはありません。

4.必ず一度試しましょう

講演のプログラムでも、授業のワークシートでも、活動でも、想像した通りにいかないことはたくさんあります。作ったときにはよくできたと思うのですが実は「プランのためのプラン」になっていて、実際にやってみて「しまった!」ということになりがちです。

これを避けるために必要なのは「試しに仲間と一度やってみる」ということです。自分で作ってみたワークシートに記入してみましょう。自分で考えた活動を試しにみんなでやってみましょう。肩肘張らず、とりあえずやってみればよいのです。

それをやることで、かなり細かい部分まできちんと修正することができます。その上で、プロジェクトメンバーに共有すると、より有意義なフィードバックをもらえると思います。

5.「何を変えず、何を変えるか」を吟味しましょう

全てのことを一から作り上げる必要はありません。これまでのリソースで使えるものは貪欲につかいましょう。そうすることで「本当に時間をかけるべきもの」に時間をかけることができます。

ただし、過去のリソースを使うときには、「楽だから」「去年までそうだったから」と思考停止モードで使うと痛い目にあうこともあるでしょう。「なぜそれをそのまま使うのか、なぜそれを変える必要があるのか」ということを吟味しましょう。そうすることで、新しいものがどんどん積み重なっていくはずです。

6.チーム全体を意識してみましょう

大人数が関わる共同プロジェクトの場合に、全体でどのくらいの人が関わっているかを意識してみましょう。そして、そのリソースを有効に使えているかを考えてみましょう。

例えば、本当はプロジェクトメンバーが20人いるのに、3人くらいしか動けていないとしたら?これは、もったいないことだと思います。それだけ人数がいれば、さまざまな人がいて、得意分野も異なっているはずです。相手のよいところを引き出すことで、全体の成果の水準を上げることを意識してみましょう。

7.しっかり休みましょう

大人数のプロジェクトが進むと、実はなかなか休むことが難しくなってきます。一つ一つの仕事がしっかり独立していればいいですが、なかなかそういうわけにはいかないので、だれかが動いていると、他のだれかも動かなくてはならないことがあります。

しかし、時々思い切ってみんなで休むことも大切です。大人数が関わるプロジェクトということは、それだけ仕事も大きく、長丁場になります。ノンストップで休みなしでは必ず疲れがたまってきます。時間を短く区切ってみたり、メリハリを持ってやっていきたいものです。休めないひとつの原因はタスクや締め切りが不明確であるということも原因でしょう。

また、プロジェクトが動いているときには、プロジェクトを優先しがちになり、自分の時間が犠牲になることもあります。もちろん、プロジェクト自体が楽しいから時間を使ってしまうということはよいのですが、それでもそれ以外のことをやる時間もしっかり確保したいものです。

「自分はがんばっているのに、なんであいつは遊んでいるんだ」というかんじの雰囲気がでてくるのもあんまりよくない兆候かもしれません。やるときはやって、遊ぶときは遊びましょう。そのために、余裕を持ったスケジューリングを心がけたいものです。

ということで7つ書いてみました。書き始めるとどんどん増えていってしまうので、とりあえずここらへんでやめておきたいと思います。

細かいことではありますが、こういうことがひとつずつ意識できるとプロジェクトはどんどん前に進んでいくのかなと思います。

またなにか思いついたら付け加えてみようかなと思います。