先日一般社団法人Medical Studioさんから依頼を受けて「地域と医療」をテーマにしたワークショップを実施してきました。私は「医療」に関する専門家ではありませんが、最近医療関係の方とお会いする機会も多く、自分としても関心を持っているためご協力させていただきました。
■どんなワークショップだったのか?
今回のワークショップは、「ジェネラリストプラス2013」というシンポジウムのひとつのプログラムとして実施させていただきました。参加者は、医師の方に限らず、看護師の方から行政関係の方までかなり多様でした。ワークショップ自体の参加者は約60名くらいでしょうか(プログラムが並列していたのでイベント全体はもっといます)
今回のワークショップでは大きく以下の2つをゴールとしていました。
1.「地域と医療」の理想像の共有
2.理想をもとに「具体的なケース」について考え、理想と現実の間にどのようなギャップがあるかを知る
今回はLEGOを使うことで、この2つについて考えるワークショップをデザインしてみました。具体的なケースを考えるところについては、村岸峯子さん(公益社団法人日本看護協会健康政策部長)にご協力いただき、話題提供やフィードバックをいただきました。
■変わる医療のイメージ
今回ワークショップを実施する上で、私も「地域と医療」について多少勉強したり、実際に関わっている方からお話を伺わせていただいたのですが、医療のイメージというのはどんどん新しく更新されているのだなと思いました。
例えば、地域と医療について作成したLEGOを見ていると「乗り物に乗っている医師」などがよく登場してきます。これは「医師と病院」が切り離されたイメージといえると思います。また、地域と医療の問題を解決するためには、「医療関係者」だけでなく、「新聞配達の人」など、「地域にいる人」というのも非常に重要なプレーヤーとなっていきます。
これらのイメージは「問題が起こった人に対して、特定の場所で専門家が専門的な処置をする」というイメージとはまた異なるものだなと思いました。
■「役割の再構築」という視点
最近私は医療に限らず、サイエンス、アート、大学図書館などさまざまな場所でワークショップの依頼を受けることがあるのですが、これらに共通した視点のひとつは「役割の再構築」なのだろうなと思います。「役割」を「専門性」とか「プロフェッショナル」と言い換えてもいいかもしれません。
これまでの「役割のイメージ」、例えば「医師の役割はこれ」というものを、内部、外部ともに少しずつ変化させていく過程でワークショップという手法がとられているのかなと思います。
今回のワークショップでも、参加することで役割や専門性のイメージが全てがらっと変わったということはありませんが、自分たちがどのような役割イメージを持っていたのかを意識するきっかけになったのではないかと思います。
■ワークショップを実施してみて思うこと
参加者のみなさんが非常に楽しそうに、いろいろなことを語っている様子が非常に印象的でした。ワークショップ後に、一緒に話したチームで記念写真を取っているシーンも見かけました。
ワークショップによって「何を学ぶのか」ということも重要ですが、そこで出会った人と「また会いたい」と思えることも同様に重要だと思うのですよね。実際になにかを変えていくためには、組織を超えた協調が必要になるわけで、そうしたことをする上での重要なつながりになると思います。
また、今回のワークショップをやってみて思うことは、医療に限らず、教育についても「地域」という発想は非常に重要になってくるだろうなということでした。
病院や学校という一つの組織の中でやるべきこと、やれることともたくさんあるのですが、その単位では対応できない問題も多いのだと思います。となると「研究領域」や「場所(学校や病院)」に限定せずに、もう少し大きな視点としての「地域」というキーワードは非常に重要になるのではないかと感じました。
ということで、今回のワークショップは、私にとっても非常に多くの学びがありました。個人的には、今後少し医療関係の研究会やワークショップもやってみようかと思っています。もしなにかお声がけいただければ出来る限りご協力させていただければとも思っています。
今回お声がけしていただいたMedical Studioのみなさま、参加者のみなさま、スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。
■ちなみに
今回参加して下さった方のなかには、自分の職場でもLEGOをつかって今回のようなことをしてみたいという方もおりました。ぜひ実施していただきたいなと思います。
注意点としては、ワークショップ当日は以下の青いバケツを使いましたが、実際はピンクのコンテナデラックスなど、ブロックや人(キャラクター)をたくさん補充しているのですよね。なので、「青いバケツ買ったのに、これだけしか入ってないの!?」とならないようご注意ください(笑)
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