先日専修大学の「学習科学」の授業にゲストとして参加し、15分ほどプレゼンテーションさせていただきました。(宮原詩織先生ありがとうございました!)
今日は授業に参加した感想と僕のプレゼン内容について書いてみたいと思います。
■ 学生が自ら資料を読み込んで発表する授業スタイル
この授業は、学習のメカニズムに関する文献や、海外の学習科学のプロジェクト等について学ぶものです。
授業スタイルは、先生が一方的にプレゼンテーションを行うということはありません。
協調学習(具体的には、ジグソー・メソッド)を取り入れることで以下のような活動をねらっています。
・学生たちが自ら資料を読み込むこと
・読み込んだ資料を説明する活動を通して、さらに理解を深めること
・自分が担当したものと他のグループの知識を統合すること
総合すると、自分で知識をつくっていくことが求められている授業といえるでしょう。
■ 学習プロジェクトの発表
僕が参加した授業では、学生さんたちは複数のグループに分かれ、国内外の学習プロジェクトについて発表をしていました。例えば、
・Learning by Design
・WISE
・CSILE
・仮説実験授業
などについて自分たちなりのポスターを作成して発表をしていました。
ポスターや発表を見させていただきましたが、とてもよくまとまっているなあという印象を受けました。
やはり自分たちでプロジェクトについて調べ、グループでディスカッションをしているため、調べたプロジェクトに対してある程度「自分の言葉で」説明できているんですよね。
これが先生からの一方的なプレゼンテーションだけだったら、こんなには話せないんじゃないかなあと思いました。
■ 舘野のプレゼン内容
僕は授業の最後に15分ほどお話しをさせていただきました。実は元々授業を少し見学させてもらうかんじだったのですが、せっかくだからいまやっている研究の話を紹介してくださいなということだったので、あわててプレゼンを作成しました(笑)
僕が参加した授業では、WISEとCSILEに関する発表だったので、それぞれの研究と僕の興味関心を重ねるかんじで発表をし、最後に「学習科学」を学ぶことってこんな意味があるんじゃないですか?ということをお話しさせていただきました。
発表したスライドの一部は例えばこんなかんじです。(少し乱暴なまとめかもしれませんが、ご容赦下さい。)
こんな表を出しつつ、僕の興味関心としてはCSILEの方が近いよなどという話をし、実際に私が大学院で研究・開発したシステムの紹介などをさせていただきました。
■ 学習科学を学ぶことの意味とは?
プレゼンの最後に「学習科学」を学ぶことの意味ってこういうところなんじゃないかという話をさせていただきました。
今回の授業を受講している学生は、ネットワーク情報学部に所属している人なので、必ずしも教員だとか、教育系の道を進むわけではないということだったので、それを考慮して以下の2点をお話しさせていただきました。
1.大学で学ぶことの意味をあらためて考えることができる
今回学生さんたちが自分たちで調べている学習プロジェクトをみてみると、どれも
・他者と協調して学ぶこと
・自ら知識を創り出していくこと
・主体的に学ぶこと
などが共通した特徴としてでてくるんですね。
こういうことって大学でやっている学びとすごくリンクがありますよね。むしろ大学で求められている学びそのものだといえるでしょう。
学習科学の知見に触れることで、自分たちがどうやったらよりよく学べるのか、大学で学ぶことの意味はなにかということをより明確に感じることができるのではないかなという話をさせていただきました。
学生さんからいただいたコメントシートの中には、「自分が受けているこの授業もまさに、自分で知識をつくることが求められているんだなと思った」とか「自分が学ぶときにもこうした視点は役に立つと思った」ということが書かれていました。
2.物事を見る視点を手に入れられる
学習科学を学ぶことは「学習をどのように捉えるのか」という、「学習に対する見方・視点」を身につけられることだと思うんですね。
ネットワーク情報学部の学生さんたちは、自分たちでアプリを作ったりすることができるようですし、世の中にいろいろな教育系アプリやサービスができていく中で、実は「学習とは何か」とか「どのような視点でそれを支援するのか」という視点を持っている人はそれほど多くはないのではないかと思うんですね。
そんなときに「学習に対する見方・視点」を持つことで、新たな教育系アプリやサービスを作ったりすることができるのではないかという話をしました。
■ まとめ
ということで、今回は「学習科学」の授業と僕のプレゼン内容について簡単に紹介いたしました。
僕が学部生の頃は「学習科学」について学べる授業はなかったので、こうやって学べる環境があるのはうらやましいなあと思いました。
また、授業を見ていた感想として、学生さんのコメントがいいなあという印象もありました。ちょっとした質問、コメントなどが「はずしてない」んですね。
みんな知らず知らずのうちかもしれませんが、しっかりツボを押さえたり、知識をアウトプットしながら
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