最近「新しい場(イベント)をどうやってつくろうか」ということをあらためて考えています。

ここ1、2年で自分自身いろいろな場を作ることに関わってきました。例えば以下のようなイベントが挙げられます。

・大学生が自分の大学生活を振り返るワークショップ
(15の夜ワークショップ)

・大学院生同士が領域を超えて交流することを目的としたカフェイベント
(学環Happy Hour)

・カフェという場を考えるワークショップ
(飯田美樹さんらとのコラボ)

・即興演劇(インプロ)に関するワークショップ
(高尾隆先生のコラボレーション)

・お茶の世界をベースにした和の場づくり
(ワークプレイスラーニング2009)

・クラブという場をメタファーにした場づくり
(サードプレイスコレクション2010)

・季節感と会のテーマをベースにした場づくり
(Learning bar)

まあ挙げだすとキリがないのでやめますが、これ以外にも「クラヤミでLEGO」をやったり、最近だと「大学院の研究室を対象にしたケーススタディの開発」を行ったり、いろいろな経験をしてきました。

これらの経験は私にとってはどれも非常にチャレンジングな課題であり、1つも楽なイベントはありませんでした。毎回イベントが終わるごとに「もう、イベントはこりごり・・・」と思いつつも、数日すると「今度こういうのやりたいな。」と思ってしまう、ある種病的な状態でもありました(笑)。

ただ、ここ最近は新しい場づくりをすることはあまり積極的には行って来なかったんですよね。その理由の1つとしては、「もっと新しい場を作りたい」という思いがあったのです。

いろいろな経験をしてくることで、ある意味で「場を作ることだけ」であればそれなりに出来るようになってきた気がします。だれかに頼まれればそれに合わせた場を作ることもできるようになってきた気がします。でも、そうではないなにかをやりたいとも思ってきたんですね。

こうした背景から、最近はあらためて腰をすえて「新しい場ってなんだろうなあ」と妄想しながら日々を過ごしています。移動中やお風呂の中など、いろんなところでなんとなくぼーっと考えているかんじです。

「新しいことをやる」というのは非常に困難な課題なのですが、こういう課題があると日々なにもしていない時間も楽しくなってきます。「ああでもない、こうでもない」と頭で考えたり、ご飯を食べているときにふと「これってさー」と話したり。そんなことをしていると、いろいろアイデア自体も出てくるのでノートのメモしたりしておきます。

それでようやく本題なんですが、結局自分の中から出てくるアイデアって、どこかでした「自分の経験」がベースになっているよなあと思うんですよね。もちろん、人から聞いた話をベースにすることも当然あるんですが。その意味では、やっぱりインスピレーションの元となるのは、多様な経験なんじゃないかと、月並なことを思うわけです。

しかし、じゃあ自分がなんで「多様な経験」をできるんだろうかなあとふと思っていると、その経験をするきっかけって「センスのいい他者」が新しい人や場を紹介してくれるからなんですよね。

自分だったら絶対にいかないような場所やコミュニティに、なんとなく誘ってもらい、ふらっとそこに入っていった経験が、結局新しいアイデアの源になっているよなあと思うわけです。こういう、いろんなコミュニティへの参入を足場かけてくれる友人というのは非常に大事ですよね。「参入させ上手さん」と出会うと本当にラッキーだなと思います。いまこの話をしている間に、何人かの顔が頭の中で思い浮かびました(笑)いつもどうもありがとうございます。

じゃあどうやったらこういう人と出会えるのかなと思うと、やっぱり自分もだれかにとっての「参入させ上手さん」である必要があるのかなあとなんとなく思っています。

もうひとつは、自分の知らない世界に入ることを楽しむことでしょうか。知らない世界に入るというのは、けっこう恐怖でもありますよね。パワーもいる気がします。自分がいっぱいいっぱいのときって、そういうことをしようという気がなくなるようにおもいます。それを楽しむ準備を自分でしておこうということもとても大事なのかもと思ったりもします。

さて、いろいろと書いてきました。

いま僕はこれまでの場(イベント)とはまた違ったことをすべくいろいろ妄想をふくらませています。いつかみなさんの前で「こんなことやりますよー!」といえる日がくると思うので、楽しみにまっていてください。

そして、こうして僕がいろいろ考えたりするインスピレーションの源は、自分の周りの人によってもたらされているなと思います。うまくポジティブなループがまわっていくように、自分も積極的にいろいろな人に関わっていければなと思う今日このごろです。

■参考リンク

これまで行ってきたイベントなどはこちらにまとめてありますのでよろしければどうぞ。

tate-lab 実践・活動
https://www.tate-lab.net/mt/post-1.html

今回書いた「コミュニティへの参入を足場かけてくれる人」に関する話は、実践共同体とかの話が近いかもしれませんね。

昔書いたメールマガジンがありますのでご参考までに。

学びあいを行う集団〜「実践共同体」
http://www.beatiii.jp/beating/015.html

Communities of Practice: Learning, Meaning, and Identity (Learning in Doing: Social, Cognitive and Computational Perspectives)
Etienne Wenger
Cambridge University Press
売り上げランキング: 2502
おすすめ度の平均: 5.0

5 コミュニティでの成長

コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)
エティエンヌ・ウェンガー リチャード・マクダーモット ウィリアム・M・スナイダー 櫻井 祐子 野中 郁次郎 野村 恭彦
翔泳社
売り上げランキング: 6742
おすすめ度の平均: 4.5

4 ツールとしての実践コミュニティ指南書
5 地に足の着いた方法論
5 今こそ学ぶべきところは多い
4 実践コミュニティのデザインと発達
4 知識ってマネージメント可能なんですね

Tue, Oct 12のツイート

  • 15:23  この経験が新しい対話式鑑賞法を生み出すことになるとは… RT @tomokihirano 回りくどいな(笑)。中洲の女の子のトーク術がうまかったので、ちょっとテンションが上がったことは認めざるを得ない。  [in reply to tomokihirano]
  • 14:30  RT @nakaharajun: 最近、僕と妻が密かに心穏やかでないのは、3歳児TAKUZOが、戦場カメラマン渡辺陽一さんの喋り方をそっくり真似して、僕らに語りかけてくる件。どこで覚えた、その喋り方!
  • 11:17  RT @clione: 今日の研究会は筑波の先輩(今D1)の発表。「キャリア自律が組織コミットメントに与える影響」。産業・組織心理学研究に論文掲載済。(2009)
  • 10:30  一対一も贅沢ですね!いつもツイートを見ていただきありがとうございます!RT @clione: ゼミの醍醐味ですね。私の時は先生と一対一だったので、刺激的でいいなあと思いながらゼミツイートを拝見してます。
  • 09:25  RT @nakaharajun: 大学院・中原ゼミ。脇本君の研究発表。小学校の教育現場における「教員間のメンタリング」をいかに促進できるのか?(中原研究室のゼミ公式!?Twitterはこちら @nakaharalab
  • 09:08  今日は中原ゼミです!いまはM1の関根さんの発表です!自分以外の人の発表も、とても自分の研究にとって意味がありますね。
  • 07:56  見出しつけるの上手だねwサンクス!RT @YukiAnzai: 新人とベテランの違いは「2回目の質問」 RT @tatthiy 【ブログ更新!】質問力の肝となるセカンドクエスション – tate-lab blog http://bit.ly/aUv29K
  • 06:08  興味深いお話ありがとうございます!RT @askoma: 生徒同士で作文を推敲しあう時も、鍵は「つなげて深める」質問ですね。最初の質問は例を配布できても、次はできない。同じだなあ。RT @tatthiy 質問力の肝となるセカンドクエスションhttp://bit.ly/aUv29K
  • 02:50  RT @IHayato: ブログ更新。流れに乗って整理してみました。 ウェブマーケティングツールとしてのフェイスブック、5つの特徴 http://bit.ly/aA4ASL
  • 01:53  【ブログ更新!】質問力の肝となるセカンドクエスション – tate-lab blog http://bit.ly/aUv29K
  • 01:03  RT @Sakura_plan: 【公共性と痩我慢について (内田樹の研究室)】、「(組織名)のために」 というのが胡散臭く感じることの理由を明確にしてくれた記事。組織を維持するためには痩我慢が必要で、痩せ我慢している人が組織の中心にいないと、その組織は胡散臭い。 ht …


Powered by twtr2src.