先日のことですが、六本木で開かれているオルセー美術館展2010に行ってきました!僕は元々あまり美術館にいったりするわけではないのですが、大学院にきてから色々な人についていきつつ、ちょいちょいと足を運ぶようになってきました。今回も友達の誘いで見にいってきました。
オルセー美術館展2010「ポスト印象派」
http://orsay.exhn.jp/
「印象派」すらよくわかっていない僕に大丈夫かなと思いつつも、こないだ「月と6ペンス」という小説を読んだこともあって、「ゴーギャンいるじゃん!」的な気持ちで鑑賞してきました。(「月と6ペンス」とは、ゴーギャンをモデルに書かれた小説といわれています。)
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偉大なものを憐れむ贅沢
ゴーギャン
いわゆるエンターテイメント小説のはしりではないかとー
ゴーギャン
人間の不可解さに迫った作品でした。
今回は一緒に行ったメンバーの中に学芸員さんがいたので、色々と質問をしながら鑑賞してきました。
これが激しく楽しかったです。
絵が書かれた背景をわかりやすく説明してくれたり、僕のくだらない質問も色々と答えてくれたりするので、一人で観に行くよりも、数倍楽しかったです。
やっぱりわかっている人といくと、「絵と絵のつながり」とか「流れ」が見えるんですよね。これが理解を激しく促進します。
今回一緒にいった人は、ただ「教えてくれる」というわけではなく、「一緒に楽しんでくれる」というかんじが、これまたよかったのかもしれません。これは「一方的に教えられる」というのとはちょっと違った経験でした。(例えば、ピエール・ボナールが書いた「猫」の絵などは面白かった)
美術館とかは、自分よりも詳しい人と一緒にいきつつ、対話しながら見るとかなり楽しめるかもしれませんね。
ちなみに、僕の大学院の同期の平野智紀くんは「対話式鑑賞法」という方法についてレポートを書いているので、興味ある方はご覧になってください。
2009年度鑑賞者研究プロジェクト報告書寄稿レポート「みることによる学び 視聴覚教育理論と批判的メディアリテラシーの視点から」
http://www.acop.jp/archives/2010/05/2009-2.html
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今回いろいろ解説とかを聞きつつ、絵を見て思ったことは、絵における「○○派」(例えば、印象派)というのは、ある意味それぞれ「世界をどう捉え、どのように記述するか」という立場のように思いました。(僕なりの理解なので、間違っているかもしれませんが)
世界を忠実に再現しようという人もいれば、そうではない人もいる。
明るさや光を表現したい人もいれば、人の内面を表現したい人もいる。
そうした「捉え方」と「表現の仕方」に対する飽くなき探求・創造の歴史が、「○○派」の歴史と関連するのかなあととなんとなく思ったのですよね。
僕はある意味「研究者も似ているなあ」と思いました。研究者も、いろいろな手法(研究方法)を使いながら、世界を捉え、記述していきます。もちろん、方法論も新しいものが生まれていきますし、新しい方法はいきなり受け入れられるとは限りません。しかし、世界のさまざまな側面を、いろいろな方法を試行錯誤しながら探求するという点において、なんとなくですが、共通点みたいなものを感じることができました。
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ということで、今回はかなりいろいろな発見があって満足しました。場の力はすごいなといつも思うのですが、やっぱり同じ絵でもネットの画像でみるのとではぜんぜん違う迫力があるんですよね。また機会を見て、美術館にもいってみたいものです。
ちなみに、今回のオルセー美術館展にはiPhoneアプリもでています(平野くんから教えてもらいました)。ちょっとした音声解説のようなかんじなのですが、行く前にみたらテンションがあがりました(笑)。美術館にいったあとの、振り返りにも有効かもしれません。
8/16までなそうなので、まだ行っていない方はぜひ!
オルセー美術館展2010 iPhoneアプリ
http://itunes.apple.com/jp/app/id367309139?mt=8
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