「スライド作るの苦手なんだよなあ・・・」
こういう学生さんきっといると思います。数年前は、学生がスライドを作ったりする機会ってそんなになかったような気がするんだけど、もう完全に定着しましたね。
でも、定着したからといってみんな「いいスライド」をつくれているわけではありません。
「文字だらけのスライド」、「派手だけど重要なところがわかりにくいスライド」・・・などなど
本書は、「学生や研究者」に向けてスライドの作り方について説明した本です。あえて、学生、研究者向けとしているのは、企業の文脈とはまた求められていることが違うことを意識してのことでしょう。
化学同人
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購入される前に…
学生だけでなく社会人にも最適の一冊
実態に裏打ちされたデザイン哲学
一般研究者も読むべき
学生・院生に薦めたい!
筆者はプレゼンにおいて大事なのは「1つの原理と3つの技術」であると指摘します。
たった一つの原理とは、
すべてに「意図」があり、それを「操る」ことで「伝える」
要するに、すべてのオブジェクト(文字や図)には意図があるので、うまく目線を操ることで、理解に要する時間の短縮化をしましょうねということです。
「デザインには意図がある」というのは、スライドだけではなく、デザイナーさんがよく言う言葉ですよね。プレゼンを作るときにも同様のことが求められるわけです。
ポイントは、ちゃんと文字や図がなぜそこにあるのかという「意図」に自覚的になって、うまくスライドを相手が理解できるように配置するってことでしょう。
こうした理念を具体的に落とすための、三つの技術は以下となります。
技術その1:コントラスト:伝えたいことだけめだたせる
技術その2:グルーピング:見えない「くくり」を意識する
技術その3:イラストレーション:文字でなく図解で伝える
どれも基本かもしれませんが、これがけっこう出来ないものですよね。
みなさんも、ついつい「文字だらけスライド」になったり、「どれも派手で一番重要な語句がなにかわからないスライド」作っていませんか?そういうスライドには、この3つを意識してみることでずいぶんよくなると思います。
本書の後半では、実際に「学生がつくりそうなスライド」を筆者が一つ一つ添削していく「事例編」がのっています。これをみると、「あー、こういうスライドあるある」みたいなものがたくさんのっています(笑)
これらも結局、三つの技術がおさえられていないのですよね。
基本的なことかもしれませんが、これが出来るか出来ないかで成果がまったく異なると思います。
「プレゼンに自信がないんだよなあ」という方も、ぱらぱらみてみると、「コツ」はこういうところにあったのか!と思えると思います。
おすすめです。
宮野公樹
著者です.ブログでの掲載,ありがとうございます! 内容も的確にまとめておられ,とても感心いたしました.今後ともよろしくお願い申し上げます。何かお手伝いできることがあれば,何なりと申しつけ下さい.