ダイヤモンド社
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○○を学ぶ、とあるように。
部下を持つ上司にも読んでほしい本
入門書としては必要十分では
人材育成をもう一段深く考えるために
人材育成の入門書として最適
内容
企業内人材育成に関するいわゆる入門書。心理学、認知科学、学習科学などの知見がコンパクトにまとめられている。自分が知りたいことについてわかりやすい事例で説明しつつ、読書案内もついているので手元においておきたいタイプの本といえます。理論をざっくりつかむのによいです。
面白いポイント
この本は入門書なので、事典的な意味合いは強いのですが、それをそのまま事典にしないのがよいところだろうと思います。あくまで「会社の中でこういうことよくあるよね。それって、こういう理論と関係あるよ」というスタイルは好感が持てます。
それぞれを深く知りたい人にとっては物足りないものかもしれませんが、ちょっと確認したりするという意味でもオススメできます。難しい概念をあの短さでわわかりやすく説明するのはなかなか困難な仕事だったと思われます。
この本について語る
私独自の読み方として、今回は「教育と学習の違い」について注目して読んでみました。これは本のp64に「教育と学習は違うのか」というタイトルで書かれています。また、その上で、「学習環境デザイン」と「インストラクショナルデザイン」との違いなどもp.186にてふれられています。
学習と教育の違いをあえてヒトコトでいうと、たぶん、「学習」のほうが「教育」より広い概念であると考えるのがいいかもしれません。この本の書き方すれば、人間はどこにいても「学習」している。それは学校みたいな公式(フォーマル)な場だけでなく、日常(インフォーマル)もそうである。「教育」というのはその「フォーマル」な部分を指しているように思えます。(こうした考え方の背景には「状況論的アプローチ」なるものがあります。これについてはまたのちほど説明することにしましょう。)
うーむ、要するに、学習という立場に立つと、教育だけではなく、それ以外も見つつ、人の成長を助けるという考え方ということでしょうかねえ。とりあえず今回はそこまでにしておきます。
ちなみに、学習環境デザインとインストラクショナルデザインの違いについては以下のように述べられているので参考まで。
学習環境デザインの考え方がインストラクショナルデザインと大きく異なる点は、「学習」に対するとらえ方である。
インストラクショナルデザインでは、以前はできなかったことができるようになるといったスキルや能力の向上を学習ととらえる。これに対して、学習環境デザインでは、学習とは、学習者が教室や職場といった現場での活動に参加することそれ自体を指す。
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