東洋経済新報社
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定石や定説から見える、心の不思議
分析のツメは甘いが、球界の通説に一石を投じる意欲的な書
たくさんの野球人に読んでほしいですが・・・
常識を打ち破る、野球好きな教授の話に引き込まれていきました。楽しくためになる一冊でした。
内容
おもしろげな本発見。以下の記事に関する本みたいです。
野球のセオリー、実は“錯覚” 名古屋大大学院・加藤教授らデータ分析
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081220-00000078-san-base
「過去の回数より印象の強さ」
「四球で出塁させるなら、ヒットの方がましですね。試合の流れが悪くなる」というフレーズを野球解説者はよく使う。しかし、それは根拠があることなのだろうか。行動経済学が専門の名古屋大学大学院・加藤英明教授は、神戸大学大学院准教授の山崎尚志氏とともに、05年度のセ・パ公式戦(交流戦を含む)846試合、1万5143回を分析。同年の全イニングの得点(失点)確率26・4%、得点(失点)平均0・495点と比較しながら、解説者のいう「セオリー」を検証した。
おもしろいですね。統計的にどんくらい妥当なのかはよくわかりませんけども、こういう試みは面白いなと思います。著書では、以下のようなことを調べているようです。
●延長戦は後攻が有利?
●ラッキーセブンに点は入りやすい?
●ホームランやエラーは流れを変える?
●「チャンスの後にピンチあり」は本当?
●盗塁は有効な戦術か?
●送りバントは意味がある?
一度読んでみたいな。こういうのを見ると、自分でもデータ取って検証したいという気になりますね。例えば、少年野球とかのコーチになったら、いろいろデータをとっておくわけですよ。そんで夜な夜なSPSSで統計的な分析をかける(笑)こんな少年野球のコーチいたらちょっとうけますね。
ただ、こういうデータをとった結果によって、「いままでこう言われていたけど、データによるとうそだった!」というのはちょっとそれはそれでほんとかなという気もします。みんなが感じ取っている「なにか」というのがやっぱりあるわけで、その「なにか」を知りたいというのも同時にあるんですよね。
どういうことかというと、たしかにヒット打たれるよりも、フォアボールでノーアウトのランナーでるのは、守っていていやなんですよ。得点が入るかどうかというのはわからないのだけども、「いや」なのはたしかなのです。このへんの実践者が感じる「予感」みたいなものと、サイエンスの力というのはうまく折り合わせながらやると面白いよなと思います。
サイエンスだけでも、予感だけでもない、その間っていうのはなんなんでしょうかと思う今日この頃です。
- SPSSとは
SPSSは統計パッケージソフトの代表的な製品であり、SASと並んで高いシェアを誇る。SPSS はシカゴ大学で開発された。最近ではStataもシェアをのばしている。特に医歯薬看護分野で用いられることが多い。
当初は Statistical Package for the Social Sciences (社会科学のための統計パッケージ)の略とされていたが、現在は単なる SPSSが 正式名称。
PC 版は、SAS と異なり、売りきりである。
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