「未来の学び」をデザインする―空間・活動・共同体
美馬 のゆり 山内 祐平
東京大学出版会
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内容

「学習環境をどうデザインするか?」ということを、「空間」「活動」「共同体」という3つの側面から述べている本です。非常に読みやすい本だと思います。ここでいう「未来の学び」とは、「複雑な課題に取り組むようなとき」と言い換えられるかもしれません。いままでのように教えることが「決まっている状態」ではないときにどうするかについて述べた本ともいえるでしょう。

面白いポイント

背景となっている理論などは難しいのですが、この本ではそれをなるべく平易に解説しているため、導入編としてとてもよいと思います。実際になにをしたらいいのかについても、よくわかると思います。

この本について語る

前回の本と関連しますが、要するに「学習環境デザイン」とは、「より複雑な課題に対する教授の法則を導きだそう」としているのではないかと私個人は思います。

課題が決まっていないようなもの、もしくはその問題が非常に高次である場合など、そういうときになにをしたらいいのかについてこたえようとしているのでしょう。それを職人芸とするのではないというかんじでしょうか。

そのときに必要となるのは、個人の頭の中に知識注入!っていうのではなく、問題を見つけていくこと、さらにはその解決方法を考えることであったりします。そして、たいていそれは一人では出来ないので、必要となる人を呼んでくることも出来なくてはなりません。

「教育」という場合は、たぶん、「問題」もその「方法」もわかった上で、なにかうまく出来るようにすることを目指しているけど、「学習」は違うんだといっているように思えます。そういう複雑な学びに対応するには、「教え方」のみに着目するのではなく、それ以外の「環境」からつくっていきましょうよということかもしれません。

このへんはちょっとよくわからない部分も多いですが、僕の中でずいぶん整理がついてきました。引き続き、状況的学習に関する本を読み進めようと思います。