先日、ゼミレンジャーという複数の大学、ゼミで集まるイベントを実施しました。気づけば今年で5年目となりました。
今年もこんな方々と一緒に実施しました。(スケジュール的な問題で先生だけ、学生だけの大学もありました)
- 同志社女子大学 上田信行ゼミ
- 実践女子大学 松下慶太ゼミ
- 法政大学 長岡健ゼミ
- 東京都市大学 岡部大介ゼミ
- 慶應義塾大学 牛島利明ゼミ
- 立教大学 舘野泰一ゆかりのメンバー(舘野ゼミはないので)
このイベントは、毎年年末に実施しており、大学の枠を超えて「自分の経験を言語化して、振り返り、ネットワーキングをする」というコンセプトで実施しています。
大学教育の中で「経験をする場」は増えてきましたが、「経験を語る場」はそう多くありません。また、大学の中にいると、ついつい「自分たちにしか分からない言葉」でしか現象を説明することができなくなります。
そうした問題意識から、大学を超えて、自分たちのことを語ったり、相対化したりする場として、ここ5年くらい、さまざまなサブテーマを決めて実施しています。
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このイベントの特徴は「各大学で持ち寄ったワークショップの集まり」であるという点だと思います。
最近、大学を超えて、ディベートをしたり、PBLをしたり、論文で対抗したり、というのは増えてきていると思いますし、これらで得られるものもたくさんあると思います。
しかし、こうした場では大学の枠は超えているものも、「競技的に争う」という活動がメインになり、「経験を語る」ということについてはなかなかできないのかなと思います。
競争するでも、ただ語るでもなく、お互いのことをさまざまなアクティビティを通して知り、自分自身についての理解を深め、次のチャレンジにむかえるような場であり、そうした場を「自分たちの持ち寄りでつくる」というのがこのイベントの特徴だと思います。
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今年は、松下先生がサバティカル中ということもあり、舘野がサポートしつつ、より学生主体でイベントをつくるということに挑戦してみました。
今年のテーマは「ナイトプール」。大学生にとっての「井戸」でも「大海」でもない、背伸びの空間としてのないとプールとはどのようなものかをみんなで考えました。
会場は慶應義塾大学の日吉キャンパスでおこないました。いつもは実践女子大学の渋谷キャンパスを使うことが多いので、はじめての会場となります。ぼくも日吉キャンパスにははじめてきました。はじめて訪れる大学というのは、なぜかとてもワクワクしますよね。
最初は舘野から軽く趣旨説明をして、
その後は実践女子チームの運営で、身体を動かすアイスブレイクのようなワークをしました。ジェスチャーゲームなどをとりいれ、最初からよいかんじで盛り上がりました。
その後、ランチを食べて、各大学でゆるりと交流をして、午後のワークへ。午後のワークは立教チームの「ナイトフルーツバスケット」なる新ワークを実施しました。
立教チームは、ワークショップをオリジナルで開発して、自分たちでファシリテーションをするのははじめてです。新ワークの開発は苦労したと思いますが、場作りの楽しさを感じたのかなと思います。
このワークでは「フルーツバスケット」のルールを応用して、ひとり残った人が「テーマについて1分語る」というものでした。グループサイズをどんどんと大きくすることで、井戸・ナイトプール・大海を身体で体感してもらいました。
最後は「大海」として全体の前で語ってもらいます。グループサイズが変わるだけで緊張感はかなり変わります。
続いて、同志社女子大学の上田ゼミチームのワークショップ。ダンスあり、歌ありの導入から、LEGOの高積みワークへ。ぼくも参加しましたが、なんかはじめて高く積み上げられた気がします笑
LEGOの後は、似顔絵を全員で書くワークを体験し、最後に同女メンバーなりの「ナイトプール的空間」をフロー理論から解釈して話をしてくれました。
最後の教員トークは東京都市大学のみなさんがファシリテーションをしてくれました。海外から松下先生もビデオで参加し、上田先生もビデオで登場。なぜ種田君(立教)は先生と写りたがるのでしょうか笑
イベント全体の振り返りは、立教チームが担当。イベントについて語るだけでなく、メンバーに対するメッセージを相互に紙に書くというワークをしました。ただ、これもそのままやっては面白くないので、ここで書いた紙が「年賀状」として家に送られてくるというものにしました。このワークも今回用にはじめて開発したものです。立教チームのみなさんもおつかれさまでした!
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ということで、今年もなかなか盛りだくさんの内容でした。
今年は慶應義塾大学でやり、打ち上げも日吉でおこないましたが、やはり「大学のある駅」というのは、その大学のカルチャーを感じられるもので、それ自体もとても楽しかったです。街と大学というのは改めて切り離せないものだと感じました。
イベントを実施して、あらためてこういう場のもつ意味はこれから増えそうだということを感じました。
大学生が単にワークショップに参加するのではなく、「場の設計を通して、場に参加する」というのは非常に面白いコンセプトだと思っています。
松下先生と、今度は都内だけでなく、さまざまな地域でゼミレンジャーをやっていくのも面白いねという話をしています。大学における学びのコミュニティを捉えるという意味でもなかなか面白い試みだと思うので、来年は
・関西ゼミレンジャー
・九州ゼミレンジャー
・北海道ゼミレンジャー
・東北ゼミレンジャー
・中部ゼミレンジャー
などを実施してもよいかもしれません笑 イベントそのものについて企業の方にスポンサーとしてついてもらうような試みも面白いかなとも思っているので、そうした広がりもありそうです。
ゼミレンジャーは、毎年定期的にやることが決まっているわけでもなく、別に「やらなくてはいけないイベント」ではないので、イベント前は「今年で終わりかなー」といつも思っているんですが、なぜか終わると「次にまたなにかやりたくなる」という不思議なイベントです。
少しずつ輪をひろげていけるといいなと思いますので、ご興味ある大学関係者の方々、企業関係者の方々は気軽にお声がけくださいませー。
例年の様子はこちらです。
https://www.tate-lab.net/mt/2018/11/semi2018.html
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