今日はプレゼンテーションの作る上で大切にしたい3つのポイントについて書いてみます。今回まとめているのは、tipsというよりも、「何かを伝える」場合の原則といってもいいかもしれません。
プレゼンテーションと一言でいっても、シチュエーションによって求められるものはさまざまなので、今回は全体に共通しそうな考え方についてまとめました。
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1.プレゼンテーションの目的を押さえる
非常に当たり前ではあるのですが、何かを伝える場合には「目的」が大事になってきます。「目的」とは「自分が○○する」という意味ではありません。例)×「プレゼンテーションのやり方を相手に伝える」
大切なのは「聞き手」がプレゼンテーションを聞いてどうなるかを想像することです。
自分のプレゼンの目的を明確にするためには「自分が○○する」という形式ではなく、
「(聞き手)が(聞いた後の状態)になるために、(自分の行為)する」
という形式で目的を押さえる必要があります。例)○「初めてプレゼンを作る学生が、プレゼンを作るときの基本的な考え方を学べるように、プレゼンの基礎となる考えを伝える」
相手の状態についてはより詳細に設定するにこしたことはありません。このように目的を設定しておくと、プレゼン内容がちらかることがありません。「基本的な考え方を学んでもらえればよいのだから、tips等はあとまわしにしよう」というかんじで内容を取捨選択できます。まずプレゼンテーションの目的を押さえていきましょう。
2.相手の状態を把握する
「聞き手」の立場でプレゼンテーションの目的を決めたら、次は「聞き手の現状」を理解しようとします。聞き手はどのくらいこれからプレゼンテーションしようとすることについて事前知識があるのか、興味をもっているか等を知ることです。
これらを知らずにプレゼンテーションをするのは「中身の見えないコップに水を注ぐ」ようなものです。ついつい入れすぎたり、足らなかったりしてしまいます。
例えば、プレゼンテーションの前に、観衆がどのような人かを担当者によく聞いておく、参加者に事前アンケートをとる等をする。それが無理であれば、当日のプレゼンの最初になにか質問をして、理解度をチェックする、等をするとプレゼンテーションの案配がよいかんじになりますよ。
3.伝え方のツボを押さえる
目的と相手の状態を把握できたら、あとはしっかり伝えるだけです。伝えるときのポイントは「要は・なぜなら・例えば」を意識することです。
- 「要は」を、最初に言わないと、「何が言いたいのだろう?」というプレゼンテーションになります。
- 「なぜなら」がないと、「なぜそう言えるの?」という根拠がなくて納得してもらえません。
- 「例えば」がないと、「なんとなくわかるけど、イメージが伝わらない」ということになってしまいます。
自分のプレゼンテーションがしっかりこの3つを満たしているかを考えるだけでも、ずいぶんプレゼンテーションはよくなります。細かいデザインに凝るよりも、まずはこの原則を意識しましょう。
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いかがでしたでしょうか。この3つのポイントはプレゼンテーションに限らず「何かを伝えるとき」に共通するポイントともいえると思います。
色々なテクニックも大事なのですが、この原則を意識しておくだけで、かなりプレゼンテーションはよくなると思います。
あらためてこの3つを意識してみるのはどうでしょうか?
【関連するページ】
伝え方のコツの部分は、立教大学経営学部 特任准教授の高橋俊之さんのアイデアをまとめたものになります。高橋さんのコラムも参考になると思います。
ロジカルシンキングの達人になる
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100520/92130/?rt=nocnt
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