授業でもセミナーでも人の話を聞いているときでもなんでもいいのですが「その場でなにが起こっているのか」というポイントをつかんで表現する力はとても重要だと思います。なぜなら、この力が何をするにあたっても基礎体力となるようなスキルだと感じるからです。今回のブログではそれを「場を要約する技術」という言葉で表現してみました。
「よい文章を書きたい、プレゼンテーションをしたい、よいワークショップをつくりたい」など色々な相談を受けることがありますが、なにかのアウトプットをしたり、即興的に何かをするという際に、「場を要約する技術」は共通して大事な力だと感じています。
「場を要約する技術」は一朝一夕で身につくものではなく、日々の習慣としていくことで自然とできるようになるのではないかと思います。そして、その練習をする上で、ソーシャル・メディア(ここでは、twitter、Facebook、ブログなど)は非常によいツールではないかと感じています。自分自身にとっても、こうしたスキルを身に付ける場としてソーシャル・メディアを活用しています。
たとえば、なにかのセミナーや授業に参加したときに、その内容をコンパクトにまとめ、自分の感想を書くというのは、それだけでよい練習になります。仮に授業とした場合には90分程度人が話をしているわけですが、それをソーシャル・メディアに表現するためにはブログであっても1000字程度、twitterであれば140字に圧縮しなくてはなりません。つまり、その場で起こっていることのエッセンスを損なわずに、重要なポイントを再現しなくてはならないということです。
こうした訓練を、自分のノートなどに書くのではなく、ソーシャル・メディア上でやることのメリットとして以下の点が挙げられるかと思います。
1.他者に向けて説明するという文脈があること
2.他者からの反応があるということ
3.自分自身を知ってもらうことにつながること
他者に説明しようと思うと、より重要なポイントを掴まなくてはという気持ちになると思います。また、反応があるほうがモチベーションにもつながりますし、どうやって今後改善すればよいかがわかります。さらに、情報を発信し続けていると、「この人はこういうことを考えている人なのか」ということを周りの人に知ってもらえるため、思わぬ人とのつながりを生んだりすることにつながります。
最初に書いた通り、こうした「場を要約する技術」は、基礎体力的なスキルとして色々な活動にじわじわ効いてきます。例えば、それは会議の議事録や、レポートや企画書などの文章を書くことなどにつながります。あるいは、文章だけに限らず、イベントやワークショップの写真や動画を撮ってまとめるというときにも求められるスキルだと思います。
最近、学部生と一緒に仕事をすることが多いですが、こういう力を学生の間からじっくり育てていくことはとても大事なことなのかなと感じています。もし、少しでもこうしたスキルを身に付けたいという人は、夏休みのうちに、少しでいいので、ソーシャル・メディアを使ってアウトプットする習慣を身に付けてみるのはいかがでしょうか。
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ちなみに先日「大学生研究フォーラム2014」というイベントに参加してきたのですが、そこでも最初からブログにまとめようというつもり、twitterでちょこちょこつぶやいておき、その後一気にブログにまとめるということをやってみました。
そう思ってイベントに参加していると、集中して聞けますし、自分の理解の助けにもなります。
大学生研究フォーラム2014に参加してきました!:速報的感想まとめ https://www.tate-lab.net/mt/2014/07/2014.html
■お知らせ
おかげさまで、以前私が分担執筆をした「活躍する組織人の探究」が増刷されました!よろしければぜひご覧くださいませ。
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