リーダーシップ教育といっても、企業と大学では多少文脈が違うのでやり方が異なります。そのあたりを最近少しずつ整理しているので、それをこちらにも載せておきます。

ちなみに先日リーダーシップ開発に関する研究会を中原先生らとおこない、そのときのまとめについては、中原先生がこちらの記事にまとめています。

企業と大学では、リーダーシップを学ぶ場所と発揮する場所が異なるというのがポイントかもしれません。企業であれば当然期待されるのは「その会社」であり、その会社に資するリーダーシップを身につけるということになります。

一方、大学は「授業で身につけたリーダーシップ」を発揮する対象は、「大学をよくする」というよりも、どちらかというと、その後「企業」、もしくは「社会」にでてから活用してもらうということになるでしょう。「企業」と「社会」といっても、一緒ではなく、「なにかを変えていく(変革)」を意識するのか、その中に「適応する」ということを目的にするかでまただいぶ違うのだろうと思います。

ただ、大学においても「Student Assistant制度」などを上手に活用すると、大学で学んだリーダーシップを、自組織で活用するという流れができてきます。こうすると「リーダーシップを学ぶ場所と活用する場所」が同じになっていきます。実は「リーダーシップを学ぶ場所と活用する場所の一致」というのはけっこうポイントになるのではないかと思います。

企業と大学におけるリーダーシップ教育の基本的な考え方や原理は共通すると思うのですが、学ぶ環境やシチュエーションはけっこう違うところがあり、そのあたりの整理は今後必要になるのではないかと思っています。

このあたりは研究を進め、書籍などにまとめることと同時に、ブログにも少しずつ小出ししていこうと思います。

■参考書籍

こちらの書籍のなかで「大学生のリーダーシップ教育」に関する章を書いておりますのでよろしければご覧下さいませ。

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