同じ授業や講演を受けても、よく学べる人、よく学べない人の差はあると思います。ではよく学べる人はどんな人かというと、ひとつには「面白がれる力」が高いんだろうなと思います。「面白がれる力」とは、要は「自分にとっての意味づけ力」ともいえるのかもしれません。
一見つまらない、もしくは自分とは関係なさそうなものであっても、「これをやったら、こういう意味があるかも」、「こう捉えてみれば、これも面白いかも」という、自分にとっての「意味変換フィルター」みたいなものを持っている人は、どんな体験からも学びを得ていってしまうなと思います。
ではそういう「面白がれる力」はどうやったら身につけさせることができるのでしょうか。授業をしている身としてはここがポイントですよね。ぼく自身まだ答えはないのですが、2つアプローチがあるのかなと思います。
1つ目は「なりたい自分を描く(描かせる)」ということです。夢というほど大きくなくてもいいのですが、「自分はこうなりたいな」といったイメージがあるだけで、身の回りの情報に対して「アクティブに」接することができるようになるのではと思います。なので、最近授業では「この授業が終わった後、どんな自分になっていたい?」ということをよく質問するようにしています。
2つ目は「学んだ知識を活用する場面を持つ(持たせる)」ということです。具体的には、授業で学んだことを身の回りの環境に適応させてみて、その結果を報告してもらうという実践をしてもらっています。そうすると、普段受けている授業についても「こういうところに使えるかな」というかんじで、知識の「加工・適用」をイメージしながら受けることができるようになるのかなと思います。
この2つの工夫はぼくひとりで考えたわけではなく、一緒に授業を作っている高橋俊之先生(立教大学経営学部 特任准教授)のアイデアがベースになっています。
要は、同じ体験からより深い学びを得るためには、「なりたい自分」というキャリア的アプローチと、「授業外での活用」という学習論で言うところの転移アプローチの2つが必要になるのかなと最近考えています。
以下のリンク先にあるような人のように過ごせると毎日がより楽しくなるのかなと思います。そんな人を育てられるような環境をつくっていきたいなと思います。
「何でも楽しいという友人」
http://anond.hatelabo.jp/20070823233243
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