「リーダーシップ教育を新たな現場に導入していく」という場合に、「学生にどのようにリーダーシップ教育をしていくのか」という方法の話をしたくなるわけですが、結局これは「リーダーシップ教育を導入しようとする人の、リーダーシップの旅のはじまり」なのだということ最近あらためて感じます。
もう少しわかりやすくいえば、「学生のリーダーシップを高める」というミッションを遂行するために、教員同士がリーダーシップを発揮し合う環境ができあがるということなのですよね。つまり、我々は一見「学生の」リーダーシップの話をしているつもりではあるものの、「私たち自身がどのようにリーダーシップを発揮するべきか」という議論をしているともいえるわけです。
そのように考えると、元々「学生にどのようなリーダーシップを身につけさせるべきか」という視点で議論している「権限がなくても発揮できるリーダーシップ」や、「リーダーシップの最小三要素:率先垂範・目標共有・同僚支援」は、導入する側の自分自身のチェックシートとしても本当は機能することになりますね。例えばこんなかんじです。
・率先垂範:リーダーシップ教育に自分自身が積極的に取り組み、やり方を他者に示す
・目標共有:学生がどのような状態になっていたらよいのかというビジョンの設定・共有をおこなう
・同僚支援:導入のハードル高いと思っている人の障害を取り除く
これはリーダーシップ教育だけにかぎらず、アクティブラーニングの手法を取り入れようとするときにも同じかもしれませんね。
・やれというあなたはやる覚悟があるのか?(率先垂範)
・そもそも私たちはどのような学生を育てようとするのか?(目標共有)
・実現のための障害はどのような点で、それをどのように除去するのか?(同僚支援)
こうしたことを意識してみると、自分自身のリーダーシップの開発につながり、ミッションの達成にも近づくのかもしれません。
私もリーダーシップ教育に携わって3年目ですが、やっていて一番感じるのは「自分自身のリーダーシップが問われている」という点です。緊張感もありますが、自分のリーダーシップを向上させるためには最高の環境でもあると感じています。
「新たな教育方法の導入」というのはなかなかハードルの高いミッションかもしれませんが、これ自体が自分自身のリーダーシップを向上させるプロジェクトなのだと思うと、また捉え方がかわってくるのではないでしょうか。
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