どんな教育方法がよいのか?という方法(how)の議論をするとともに、そもそも人はどのように学んでいるのか?の議論も一緒にできるといいなと最近よく考えています。
さまざまな教育方法がでてくる背景には、必ず「人はこうやって学ぶ」というような背景となる考え方があります。その考え方を学ぶことで、「では、こういう方法もありですよね?」という解釈が生まれてくることになります。
しかし、背景を抜いた「その方法のみ」を知っているだけであると、なかなか応用することができません。「なぜ、その方法なのか」がわからないからです。その状態だと、どうしても方法だけを追っていかざるを得なくなります。
▼
人はどのように学ぶのか?という議論については、まだ決着はついていない部分も多いですが、これまで明らかになってきたことも非常に多くあります。
自分自身、教育実践の工夫はさまざま行っていますが、それらの源になっているのは確実に、学習に対する考え方・理論の影響があります。
どんな教育方法がよいのか?というhowの議論が盛り上がっているときこそ、その背景となる学習理論のようなものもあわせて世の中に広まっていくと、さまざまな応用が増えていいのになと思います。
▼
自分自身も「どうやって教えるか?」というtipsだけではなく、そもそも人はどのように学んでいるのか?ということに関連するような内容を少しずつ発信していけるといいなと思います。ブログもひとつの場ですね。
ただやはり「人がどう学ぶか?」といったようなテーマについては、じっくり腰を据えてみんなで考えていきたいものです。
短い時間の講演やワークショップだけではどうしても限界があります。理論によせると、結局どうやったらいいかわからないという話になりますし、方法によせると、ノウハウだけの共有になりがちです。
もちろん、スタートの機会としては非常に価値をもちますが、それを「きっかけ」と捉えるか、一度やったからよいと捉えるかはまた別といえるかもしれません。
結局なにかを本当に変えるということを決心するのであれば、長期間にわたって、方法も背景もしっかり学ぶほかありません。
なんでもかんでも短期間のtipsでしのごうとしないというところから全てははじまるのかもしれませんね。
【関連する文献】
中央公論社
売り上げランキング: 67,350
岩波書店
売り上げランキング: 28,205
放送大学教育振興会
売り上げランキング: 964,260