「グループワークの指示」というのは、「なにかを教える」ということとはちょっと違うので簡単に思われるかもしれません。
「では、○○についてグループで話し合ってください」
でOKなのかなと思いきや、これだけだと足りないことも多いのかなと思います。
グループワークの指示を行うときに一番忘れがちなのは「なぜそれをやるのか?」という説明です。「このグループワークの目的はなにか?」「このグループワークは今日の授業のどんな位置づけか(前後の流れの中の意味合い)」ということをしっかり伝えないと、「活動はやってくれるけど、頭はつかっていない」ということになりがちです。
よく筋トレで「使っている筋肉を意識した方がよい」と言いますが、それに近い感覚が必要だと思います。頭をどう使う必要があるのかを知ってやる活動と、そうではない活動では結果的に差がでてしまうのではないかと思います。
▼
もちろん、グループワークの指示においては「グループワークを具体的にどうやるのか」を短い時間でしっかり伝えることも重要です。「何人グループで、何を、どのくらいの時間で、どういう順番でやるのか」という説明が微妙だと、「はじめてください」といった後に「えっ、なにやればいいの?」という現象がよくおきます。それをしっかりやれるのは重要なスキルです。
しかし、「具体的に何をやるのか」を説明するのが上手な人ほど「なぜそれをやるのか?」を伝えられていないことに気がつかないということも起こりがちです。
「やるべきこと」の指示が上手なので、自分もしっかり話せた感覚がありますし、相手も動いてくれるんですね。だからこそ「意味をわかって活動をしているのか?」というところに目が向かなくなることもあります。こちらのほうが「一見うまくいっている」ので、注意が必要です。
▼
今日はグループワークの指示について書きました。グループワークは、最近のアクティブラーニングの議論とともにどんどん広がっている手法だと思います。しかし、うまくデザインしないと「活動はしているけど、頭は動いていない」ということになる危険性があります。このあたりの議論は書籍「ディープ・アクティブラーニング」などでも指摘されているので興味のある方はぜひ読んでみるといいのではないあと思います。
うまいデザインと言っても、難しいことはなく、「ちゃんと頭を使えているかな」ということをどこかで意識していればよいのだと思います。ちょっとしたことを意識するだけで変わるものだと思うので、そういう部分をうまく共有できるといいなと思っています。
みなさんがやっている工夫などがあればぜひ教えてください。
【関連する書籍】
1件のコメント
1件のピンバック