最近大学生と話していて面白いなと思ったヒトコトが「自分のやっていることがお母さんに伝わらない」ということです。

私の大学ではSA(スチューデント・アシスタント)という制度があり、例えば、2年生の学生が1年生の授業に一人ずつ配置され、授業の運営を教員と一緒にするということをしています。最近各大学でも増えてきているかなと思います。

ただ、うちの大学のSAは、授業でプリントを配るお手伝いというレベルではなく、昨年度の授業の反省点を洗い出したり、それを踏まえて一緒に授業内容を考えたりと、かなり色々なことをやる役割となっています。そのため、SAたちというのは非常に忙しいんですね。

それで家で忙しそうにしていたりすると、親から話しかけられるそうです。「忙しいの?大丈夫?」というかんじでしょうか。

そのときに学生は「SAの仕事が忙しいこと」を伝えるらしいのですが、お母さんの反応は「そもそもSAって何?」「なんでそんなに忙しいの?」「結局、あなたはなにをやっているの?」ということで、全然伝わらないのだそうです。

まあある意味しょうがないかもしれませんね。そもそもSAという制度が最近ということもありますし、やっていること自体が「これをやっている」という一つの明確なタスクではないので、伝えるのは大変です。

しかし、これは実はもったいないことでもありますよね。おそらくお母さんに伝わらないのであれば、企業の面接などでもあんまり伝わらないのではないかと思います。せっかく魅力ある経験をしていて、さらに能力もついているのに、うまくアピールできないことで評価されないのはもったいないことです。

「自分がやっているコミュニティのよさや経験」を、「その前提を知らない人たち」に説明することというのをさらに積極的にやると、自分の経験そのものに対する意味づけもより深まるのかなあと思います。

「なんとかお母さんにエッセンスだけでもわかってもらう」というのは、自分の説明がわかりやすくなっているかのひとつの指標でもあると思います(笑)。がんばってトライしてみてほしいなと思います。

と、まあこんなことを書いている一方で、自分も大学院時代は特に、自分のやっていることを説明することに苦労しました・・・。

特に困るのが初めていった美容室などです。たまにどうしても予定が合わずに、いつもと違う美容室にいったりすると自分のやっていることを説明するのが大変なんですよね。

「今日はお仕事お休みですか?」と何気なく聞かれた時点で「ああ、これは色々説明するパターンだ」ということになります・・・(笑)「えーっと、大学院生してます」とかいうと、最終的には「どんな研究されているんですか?」と聞かれることになり、それをなんとか説明するんですよね。若干汗かきます。

ちなみに、ようやくカットの人に説明したと思ったら、今度はシャンプー&ドライヤーの人に「今日はお仕事お休みですか?」ともう一度聞かれるというパターンもなかなかに恐ろしいです。

まあこういうときにコンパクトに説明できるようになったときにこそ初めて、自分で自分のやっていることの意義をしっかり理解できているということなのかもしれませんね。。。

大学生向けの記事のつもりが、結局自分向けの記事になりました(笑)ぼくも学生に「どんな研究しているんですか?」と聞かれたときに、さくっと答えられるよう日々精進していきたいと思います。